徒然なるままに

社会復帰1日目 世界の香りがする

夜9時半、小学校1年生の息子とともに床についた。

入眠時、鼻のガーゼと、かさぶたと、鼻汁で再び詰まっていた両鼻のうち、

特に血混じりだった左鼻に綿球をいれておいた。

朝5時半頃、自然起床。

右鼻が通っていた。

復活した鼻が最初にちゃんと嗅いだ香りは、息子ちゃんの

すやすや寝息からの、なんともいえない、子どもらしい、生活の香り。

起き上がって綿球をはずすと、左鼻も、少し通った。

玄関を開けたら、田んぼから香ってくる、緑と、稲の自然の香り。

 

普通の感覚が、ようやく、戻ってきた。

朝ごはんを4人で食べ、子供たちを送り出した。

 

重病ではないのだが、激しく動いたり、鼻や気管に刺激のあるようなものを摂取すれば、再出血の怖さがあるので、

無理せず、少しずつ、体調復活のリハビリをかねて、不要な冊子を整理して、小学校の横にある資源リサイクル箱に持っていった。

横を流れる川の匂いがした。

 

そのすぐそばにある、ガソリンスタンドで、久々に車にも給油。

ガソリンの臭いがした。

 

会社に顔出しに、まちまで。

牧場、森の中、アスファルト、工場、会社、あらゆる香りが広がっている。

 

今までも、別に嗅覚ゼロではなかった感じていたはずの臭い、匂い、香り、なのに

腫れていない両鼻で感じると、まったく違うものにも感じる。

 

同じはずなのに、違う気がする。不思議なものだ。

だが、あくまで「はず」というのは思い込みであって

これが本来のものだったのだろう。

たくさんの再発見を、しばらく、楽しんでみようか。

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