武富智「The Mark of Watzel」の最初のエピソードを読んだ。
病で医者が見放した、小さな女の子。最後の望みをかけて、落ちぶれて詐欺まがいのことをしている元俳優が声をかけられ「小さな子を騙して欲しい」と頼まれる。
女の子は夢の中で、映画で見た悪い兵隊に襲われる悪夢を見る日が続いていて、催眠療法も使って、戦って勝って、体も良くしようとするが、むしろ悪化する。
でも、女の子は優しい子で、実は戦いたかったんじゃない。戦士ではなくお姫様。そして、みんなと仲良くしたかった。本当の心に気付いて、元役者も、実の父親も「もう、戦わなくていいよ」と娘に語りかける。
そして奇跡が起き、ある程度の生活が出来る程度まで腫瘍が減ったのだった。やがて大きくなり、病と共存しながらも、父親と一緒に暮らす日々。
元役者の彼は「ホスピタルクラウン」道化師になって心のケアをする道を見出し、病の子どもたちと向かい合って、新たな人生を踏み出した。
病院には笑顔があふれている。
・・・と、短編マンガで、はばからず号泣してしまった笑
あ、ちなみに「サイモントン療法」という、心のケアをする療法をモチーフに書かれたマンガっぽいです。
武富智さんの、特に短編集は秀逸なのが多いです。