退院後の朝一番の診察が終わった。
かさぶたが鼻腔内に残っており、一部が剥がされた。
ペリペリ音がした。
血が出た。
かさぶたがしっかりとれて、粘膜が完全に再生するまで、少なくともあと2週間はかかりそうである。
人の体とは面白いものだ。
人の心はかくも複雑であるのに、人の体は、実に物理的である。
だが、人の体の恒常性を維持するのは心、すなわち脳であって、
脳の刺激で血流が早くなったり、動悸がしたり、ワクワクして体が弾んだり、
かたやだるくなったり、へこんだり、色んな状態が体に現れる。
体のバランスを極端に崩す病気も多々有り、ガンはその最たるものの一つだ。
新陳代謝のバランスを無視して、増殖、転移する、悪性腫瘍。
どんどん母体のエネルギーを吸い取っていく、不思議な、かつ、宿命的な人間の病。
いずれは解明されるような病でありたいと思いたいが。
いずれにしても、治そうと思って、治せるものは、治せるうちに向かい合っておくべき、
というのが今回経験して思ったことだ。
向かい合っても治らないものも色々あるだろう。
病院嫌いだった自分など、おいといて、次へ。